近年、日本では「褒めて育てる」という風潮が広がってきて
子供を褒めて育てるという親が増えてきてる思います。
しかし、一方で
「褒めて育てるとダメになる」
「打たれ弱くなる」
「褒められないとやらない子になる」
等の否定的な意見もあります。
今回はこの「褒めて育てる」について書いていきたいと思います。
褒めることのメリット。
親に褒められることで、「自己肯定感」が高まります。
自己肯定感というのは、
「自分は大切な存在なんだ」「必要とされている」
という自分に対する自信、安心感です。
この自己肯定感が高いと、真っ直ぐ、素直に育ちます。
しっかり自立することができます。
実際、文部科学省の委託で行われた大掛かりな調査で、
"親が「子供を褒める事が大事」と考えている場合、子供の社会能力が高い"
という結果が出ています。
逆に叱られてばかりだと、
「自分はダメな人間だ」「必要とされてない」
など自己肯定感が下がり、心配な症状や、問題となる行動を起こすようになってしまいます。
なぜ否定的な意見があるのか。
褒める育てるメリットはたくさんあるのに、
どうして否定的な意見が出てくるのでしょうか。
それは、褒めて育てるという風潮をそのまま解釈し、叱るべき場面でも叱らず、なんでもかんでも褒めてしまう親がいるからではないでしょうか。
子供はまだ、やっていいこととダメなことの区別がはっきりついていません。
親は子供に、やっていいことと悪いことをしっかり教えてあげないといけません。
これをやらずなんでもかんでも褒めていると、将来、やってはいけないことを平気でやってしまう人間になってしまいます。
また、褒められるのが当たり前の環境で育つと、叱られた時に打たれ弱くなってしまうし、褒められないとやらない、という事になってしまいます。
こういう意味で「褒めて育てるとダメになる」という意見が出てくるのではないでしょうか。
叱るべき時には叱る事も必要です。
叱る時の注意点
叱るといっても、以下のような注意点があります。
①怒鳴らない。できるだけ平静に。
怒鳴ると、怖い思いをしたという記憶しか残らず、なんで叱られたのか理解しづらいです。
怒鳴ってばっかりいると、親との信頼関係も崩れてしまいます。
そもそも、怒鳴って叱らないといけない場面なんて一つしかありません。
それは、危険なこと、命に関わるようなことをした時だけです。
それ以外は、本来は怒鳴る必要はないのです。
②人格ではなく行為を叱る。
「だからあんたはダメなんだ」「お前なんかいらない」等の人格を否定するような叱り方をしてはいけません。
「○○したらダメでしょ」「○○はよくないよね」と、悪い行為そのものを叱るようにして下さい。
③1回でわからせようとしない。
子供とは、1回言ったからといって直るものではありません。
何回も根気強く伝えて、だんだんできるようになっていくものです。
それを1回でわからせようとすると、言葉が強くなってしまいます。
③長時間叱らない。
長時間叱られると誰だっていやになりますよね。なるべく短時間に簡潔に伝えて下さい。
まとめ
決して「褒めて育てる」という風潮が悪い訳ではなく、
それをそのまま解釈し、叱るべき場面でも叱らず褒めてばかりいるのが良くないのでしょう。
叱るべき時には叱って、褒めるべき時にはしっかり褒める、これが正しい「褒めて育てる」育児なのではないでしょうか。
子供は親に褒められると大きな喜びを感じ、しっかりと真っ直ぐ育ちます。
是非、褒めるべき場面ではいっぱい褒めてあげて下さい。