虹の子育てblog

2人の女の子のパパです。子育ての事、お役立ち情報など書いていきます。

ひどい夜泣きは「乳幼児慢性不眠障害」といいます。早めに小児科を受診しましょう。

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先日この本を読みました↑

「子供も親も毎日ぐっすり眠れる!夜泣きが止まる本」です。

 

この本の著者は兵庫県リハビリテーション中央病院に「夜泣き外来」というものを開設されています。

夜泣きで悩んでいる親御さんが来やすいように、あえて「夜泣き外来」という名前にしたそうです。

 

この本を読んでかなり勉強になりました。

 

 夜泣きで悩んでいる方に少しでも知ってもらいたいと思ったので、概要と感想を書いていきたいと思います。

 

ひどい夜泣きは「乳幼児慢性不眠障害」という。

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この本にはこう書いてありました↓

眠らないというだけでは問題になりません。眠れない状況に伴って、困難さや辛さが同時にあることが医学的に睡眠障害の状態にあるということです。

”ひどい夜泣き”のことを「乳幼児慢性不眠障害」といいます。

引用元:菊池清『夜泣きが止まる本』風鳴舎(6,7ページ)

 

ひどい夜泣きは「乳幼児慢性不眠障害」といいます

そのままにしておくと

  • 離乳食がすすまない
  • 言葉の遅れ
  • 転びやすい
  • すぐにかんしゃくを起こす
  • 母親から離れて遊べない

など、良くない影響が出てきてしまいます。

 

ひどい夜泣きの場合は「赤ちゃんは泣くもの」と我慢してそのままにしておくのではなく、

早めに小児科を受診したほうがいいです。

 

 小児科医に相談すべき”ひどい夜泣き”の目安。

この本の著者は夜泣きをこう定義しています。

生後6か月以上で4歳未満の子を対象にとらえ、夜間に泣き出し、眠らないでぐずり続ける状態を”夜泣き”ととらえています。

生後6か月未満の赤ちゃんは、夜間に泣いて起きることや夜間に授乳することは、体の仕組みとして避けることができません。

引用元:菊池清『夜泣きが止まる本』風鳴舎(2ページ)

「夜泣き」は生後6か月以上で4歳未満の子が対象だそうです。

6か月未満の赤ちゃんは一度に多くのミルクを飲めないので、どうしてもすぐお腹がすいて起きてしまいます。

生きていくためには「眠る」よりも「食べる」ことが優先なので、夜中にすぐ起きてしまうのは仕方がないのです。

 

通常、6か月を過ぎるとだんだん授乳回数は減り昼夜のリズムができてきて、夜間にまとめて寝るようになってきます。

しかし、6か月を過ぎても昼夜のリズムができず、夜間何度も起きてしまう、寝つきが悪くてなかなか眠ってくれない、親も眠れずつらい状況、

これが「夜泣き」になります。

 

眠れないことで子供が日中眠そうだったり機嫌が悪かったり、親も辛い状況、

このような状態が以下のように続いたら小児科を受診しましょう。

他の病気がないにもかかわらず、1週間に3日以上の割合で、3ヶ月程度続く(もしくは続きそうな)場合が、小児科医に相談する”ひどい夜泣き”の目安と考えています。

引用元:菊池清『夜泣きが止まる本』風鳴舎(4ページ)

 

「夜泣きくらいで受診なんて…」と思うかもしれませんが、全然大丈夫です。

受診する際は、できれば簡単な「睡眠日誌」のようなものを持っていきましょう。その方が小児科医の理解を得やすいです。

 

この本にはこのような「睡眠日誌」が付いてました↓

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(眠った時間を塗りつぶします。)

 

 

その他、夜泣きの相談窓口。

その他、夜泣きの相談窓口としては、全国の市町村に「子育て世代包括支援センター」というものが設置してあります。

その業務ガイドラインには「夜泣き」との関わりも記載されています。遠慮せず相談しましょう。

 

ただ、もしかしたら連絡先が少しわかりにくいかも知れません。

私は試しに「横浜市 子育て世代包括支援センター」で検索したのですが、このページが出てきました↓

横浜市版子育て世代包括支援センター 横浜市

これ、パッと見、どこに連絡すればいいのか分からないですよね。

お住いの「子育て世代包括支援センター」の連絡先が分からなかったら、まずは役所に電話してつないでもらえばいいと思います。

 

相談先は小児科でも子育て世代包括支援センターでも、どちらでもいいと思います。

 

夜泣き外来を受診して改善した例。

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この本には夜泣き外来で改善した例がいくつか載っていて、1つ軽くご紹介します。

 

2歳3か月の男の子で、子供と両親の三人暮らし。父親は仕事で忙しい。実家は遠く離れている。

母親は子供が生まれてからまともに眠れた日がない。入眠儀式をしてもなかなか眠ってくれず、やっと眠っても夜中になんども起きてぐずり泣く。

夜間断乳を試みるも激しく泣き続けるため断念。

 

母親はふとしたことで涙がとまらなくなったり、子育ての気力を持つことができなくなり父親と口論が増えたとのこと。

 

そこで夜泣き外来では以下のような対処法をとりました。

  • 夕食と入浴を19時までに終わらせる。
  • 19時からは部屋の明かりを明るすぎないようにし、20時までに眠れることを目安にする。
  • 寝る、起きる、食事、入浴の時間を毎日ほぼ一定にする。
  • 父親の協力(有休を使い1週間休む)のもと夜間断乳を実施。夜間は父親が添い寝、母親は別室。
  • 乳幼児用の内服治療。

これらを続けていくうちにだんだん夜泣きが改善していきました。

父親の頑張りで夜間断乳4日目から途中で起きることはほとんど無くなり、夜間授乳しなくなってからは昼間の食欲が増し、朝からしっかり食べてくれるように。

子供も母親もまとまって眠れるようになりました。

 

このように、ひどい夜泣きは正しい治療・生活習慣の改善が必要です。

 

現代はひどい夜泣きが起こりやすい。

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夜泣きの改善には体内時計が重要になってきます。

朝、目から入る明るい光が体内時計をリセットし、そこから24時間が始まります。

体内時計が12時間経ったころにメラトニン(眠らせるホルモン)が分泌され、翌朝目から入る光によって分泌が止められます。

このような体の仕組みを育てるには、生まれてすぐから規則的な明暗リズムを続けることが大事です。

 

昔は夜の灯は大名などに限られ、ほとんどの人は明るいうちに食事と入浴を済ませ、暗くなったら眠るという生活をしていました。

赤ちゃんも成長と共に自然と昼夜リズムが作られていきました。

昔はひどい夜泣きというのはあまり無かったのでしょう。

 

しかし、蛍光灯が普及しはじめ、明るい夜が当たり前になりました。

夕食・入浴の時間がどんどん遅くなり、眠れない社会が作られていきました。

そのため、赤ちゃんは6か月を過ぎてもなかなか昼夜リズムが作れず、夜泣きをする赤ちゃんが増えていきました。

 

特にテレビや室内照明の白色LEDには、眠りを阻害するブルーライトが大量に含まれています。

夜19時以降はテレビは消し、室内照明も落としたりオレンジ色照明に切り替えることが大事です。

 

「夜泣きが止まる本」を読んだ感想。

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この本を読んで学んだことはたくさんあったのですが、その中でも印象に残っていることを書いていきます。

 

添い寝授乳、抱っこしてゆらゆら、散歩やドライブはよくない。

添い寝授乳、抱っこしてゆらゆらする、散歩やドライブなどは、赤ちゃんが寝ない時によくやってしまいがちですよね。

しかしこれらはあまり良くないそうです。

これらは一時的には効果があっても、このような条件付きの刺激でしか眠れなくなり、長期的には”ひどい夜泣き”の原因になってしまうそうです。

(体質的にそうしなければ眠れない子もいるので、まずは小児科に相談を。)

 

知らなかった~。抱っこしてゆらゆらは私もよくやってしまっていました。

やはり正しい知識を得ることは必要ですね。

 

また、断乳・卒乳に関してもこんな事が書いてありました。

断乳・卒乳は1歳~1歳6か月あたりにするのが妥当と私は考えています。しかし、”ひどい夜泣き”(乳幼児慢性不眠障害)が夜間授乳の影響を受けているならば、離乳食3回になった生後9か月以降であれば、夜間断乳をおすすめします。

引用元:菊池清『夜泣きが止まる本』風鳴舎(165ページ)

 

子供が夜寝る際は、なるべく関わり合いを少なくすることが大事だそうです。

 

チョコレートにも注意。

コーヒーや紅茶だけでなく、チョコレートにもカフェインは含まれているそうです。

これ、私は知りませんでした。

夕方以降に子供にチョコレートをあげるのはやめた方がいいでしょう。

 

まとめ。

ひどい夜泣きは「乳幼児慢性不眠障害」といいます。

 「夜泣きで受診なんて…」と思わず早めに小児科を受診しましょう。

その際は簡単な「睡眠日誌」を持っていくと小児科医の理解を得やすいです。

 

今回書いたことはほんの一部です。

この本には夜泣きの原因や対処法がくわしく書いてあります。

現在夜泣きで悩んでいる方、もしくはこれから出産予定の方は、是非この本を読んでみて下さい↓